バレエ愛好家医師のブログ

若手医者の日記です。バレエと音楽、舞台が好き。

目を離せないもの

友達には言われる、定時で帰れるときもあって、そんなに体力的にしんどくもなくて、圧倒的に権力を持ってて、何が嫌なの?と。

でもしんどい。
人の生き死にに関わりたくてここに来た。でも違う。今の日本の医療では、最後まで点滴を入れて、真っ白い部屋で、誰にも会えず死ぬだけ。

私にはそれが我慢できない。
生死が関わらない科にいくこともできる。でもそれは違う。見なくていいものは見なくていいと思うけど、それとは違う気持ちなの。
私はここから何故か目を逸らすことができない。

命って何。

少なくともこんなふうに人は最期を迎えるべきじゃない。詭弁かもしれない。押し付けかもしれない。
私の考えを押しつけるのは良くない。それは分かってる。
でも嫌なものは嫌だ。この死に方は美しくない。



私自身の声が聞こえる。全部叩き割れと。嫌だと叫べと。人は本当に時が来たら、比喩ではなく声が聞こえるのだと初めて分かった。

雑記

転職活動をしている。

いよいよがんという専門を極めていくことがしんどくなったせいだ。

 

80-90代の「はい」しか言わないニコニコしたおじいちゃんおばあちゃんに抗がん剤をすることも。

あと数時間で亡くなる状態の患者の鼻に綿棒を突き刺してコロナ検査することも。

 

私はこれまで何も考えず、おおきな苦労もせず医師になった気がする。大阪の下町出身で、医者家系でもなく、中央偏差値40くらいの公立中学出身だったが、高校進学も大学進学もすごく運がよかったのだろう。大きくつまづいたようなことはなかった。

医者だって資格職が良いと周りに言われたからなっただけのようなものだ。

 

いや違う、本当はもっと医者に対して良いイメージもあって、自分は人命のためにバリバリ働ける女医になると思ってた気もする。もうわからない。

 

 

今まで音楽、オーケストラ、バレエや絵画や小説。そういったものに慣れ親しみすぎたせいなのか。親が離婚して、去り際の父親の行動でろくでもないやつだと思った経験からか。祖母を自宅介護で看取った影響か。

 

医療って何?生きるって何?

やたらと長生きすればいいのか。病気はすべて治すべきか?

最期はみんな死ぬというのは変えられないけれど、そこに自分がどうアプローチしていくのか。

 

 

私は自分が何のために生まれてきたか知りたい。

今の仕事ではそこには辿り着けない。せめてそこに向かってると自分で納得できる生き方をしたい。

 

どんなに馬鹿にされてもいい。感じ方はひとそれぞれで、私の感情と直感は私だけのものだ。私はそこに向かって進む。誰にも後ろ指は指させない。

人生会議について、がん専門にしている医者の視点から

日本では超高齢社会が問題になっていますね。

同時に、核家族化が進む日本では老老介護などの問題も頻発し、医療現場にて毎日がん患者を診療している立場からすると本当に他人事には思えません。

 

家族や自分が癌になったとき、まず医者から説明があると思います。

その時の思い出を聞くと「すごく簡潔に伝えられただけだった」「何を言っていたかわからなかった」などなど、これまで様々なお言葉を患者様から聞いてきました。

中にはすごくしっかりしている方が(多くは比較的若齢の方、20-40代です)、インターネットなどで自分の病名を検索し、的を得た質問や治療方針への希望などをはっきりおっしゃってくれることもありますが、ほとんどはそうではありません。

 

なぜなら、がんってほとんどは高齢者がなる病気だからです。

例えば88歳でがんの告知をする場合、キーパーソンは同年代のパートナーもしくは60代の娘・息子。かなりの割合で「素人の私にはわかりません。抗がん剤をするんですか。すべてお任せします」、そう言って帰宅されます。

もちろんステージにもよりますが、何もしなければ例えば大腸癌なら1年以内、全身に転移がある癌なら3か月くらい、血液の癌なら1-2か月で亡くなります、なんて言われた場合はほとんどの人が治療を希望されます。当然なこととは思いますし、私もがんを専門に診療しているのでそれ自体が悪いとかいいとか言いたいわけではありません。

 

80代でできる抗がん剤はたくさんあり、今の日本の皆保険制度や高額医療制度も使えば問題なく抗がん剤はできるでしょう。

しかしこの後に問題があります。多くの抗がん剤は身体にそれなりのダメージはあります(映画やドラマのような嘔吐・脱毛というよりも、なんとなく倦怠感がすごくて弱っていく、という感じが多いです)し、70-80代の方に投与するような抗がん剤治療でがんが完治するということはほとんどないです。リンパ腫など、完治に近い状態までもっていくことはかなり増えましたが、それでも完治というには5年は経過を見た方がいいですし、そうしている間に別の併存疾患(腎臓病、糖尿病、心不全、肝不全...など)が大きな問題になって...という場合が多いです。

 

医者は基本的に人を治すことを20代から叩き込まれているため、いつかは死にます、ということを伝えるのが下手な気がします。今は緩和ケア専門医などもありますが、初めから緩和ケア医が主治医であることはないため、治療するとなった時、「■日間隔の抗がん剤を●コースします」とは言っても、最後はどうなるか、ということはあまり伝えないのが現状です。

これは当然と言えば当然で、抗がん剤の副作用の出方が人により千差万別であったり、抗がん剤の効果がどれほど出るかは正直やらないと分からないことが多いからです。

 

ここで、初めの1-2コースは抗がん剤がそこそこ効いたとしましょう。その後、次第に効きが悪くなり、違う抗がん剤に切り替えて、しかし病気は進行していき...

再びキーパーソンに連絡を取り、ここでようやく医療者側から「急変されたときに心肺蘇生行為を行うかどうか、最期をどう過ごしたいか」というような話があります。

 

そこでよく言われるのが、

「全く考えていませんでした。」

 

 

ここで医療者と家族の認識の差が明らかになり、みるみるうちに患者さん本人が悪くなり、入院し点滴につながれ、急変して挿管するのかどうかバタバタと決断を迫られて、、、というパターンがかなり多いです。

「今は癌も治る時代」、というフレーズが闊歩(若齢ならもちろんありえます)していたりする影響もあるのかもしれません。

しかし個人的には、核家族化にて「人が死ぬ」という瞬間をそばで見たことがない人が増えているせいではないか、と感じます。

 

ここでこのポスターです↓

人生会議」PRポスター騒動で、厚労省が気づかない本当の失敗 | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン

 

本題に入るのがとても遅くてすみません。

厚生労働省のこのポスター。とっても炎上したことで有名です。

 

人の死をコメディタッチで吉本の芸人が、、、、ということが炎上の原因だったようですが、それだけでこんなに炎上したのは不思議です。

現代には「人の死」を異常に忌避したり、尊んだりする心理が働いている気がしてなりません。

 

日本人の平均寿命がかなり長いとはいえ、人はいつか死ぬものであり、半数ちかくの人は癌で亡くなります。

70-80代で癌などの大病が発覚した場合に死の影はかなり近づいているということを患者さんに意識してもらうにはどうすればいいかと常に考えています。これをダイレクトに病名告知時に言うと「そんな不吉なことをいうな!」とかなりの割合で起こったり、沈んだりする人がでてしまうのです。

 

医療が安すぎる日本、医療が手厚すぎる日本、死をみたことがない人が増えている核家族化...このままどこへ向かってしまうのか、日々悶々と過ごしています。

 

バレエ初心者の友達に説明するとき

どうもこんにちは。バレエクラスタ系医師のはなです。

 

最近コロナが大変で、仕事も大変で、舞台はしょっちゅう中止になるし(キエフシュツットガルトバレエ来日公演も中止に…泣)、とてもつまらない。

あんまり長い間舞台に行かないと、「(舞台を見て)楽しかったー!また次の公演を探そう!」という気持ちがなくなり、チケ取りの習慣がなくなり、「別に舞台なんてなくてもいいんじゃね?」ってなっちゃうので大変よくないことです...

そういうわけで、よく宝塚を見に行っています。推しというほどの人はまだいないけど、ヅカオタは鑑賞マナーもいいし観客まで立ち姿が美しい人が多く、劇場にいるだけで気持ちがよくなります。

 

さて、今日は「バレエ初心者の友達にバレエの良さを説明するとき」というテーマで書いていきます。

最近思うんですが、ミュージカルや宝塚、社交ダンスやHIPHOPなど、日本にもダンスを愛する人はたくさんいるんですよね。そういう人たちと仲良くなった時、こっちがバレエクラスタだと知ると皆「バレエって●●なの?」とよく聞かれます。(※●●の中身は人それぞれ。振付が一緒なのか、あらすじがあるのか、とか) ダンス好きなら他のダンスも興味は持つけど、バレエってなんだか見方も難しいし外側から見てよくわからないのかな~と思います。

私はただのバレエファンなので、バレエ業界に対してもっとこうしてほしいとか言うつもりはないけど、これからバレエ見てみようかなって思う誰かのために少しでも助けになればということで、いつも友達などに説明している風にここに書き記しておきます。

あくまで簡単に書くので、詳しい方の突込みはお手柔らかにお願いします。。。

 

①超簡単に理解するバレエ

まず、バレエとは。基本的には女性がトウシューズとチュチュで踊るあの踊りのことです。タカラジェンヌ宝塚音楽学校宝塚歌劇団のメソッドを学んでタカラジェンヌになるように、バレエダンサーになるには世界中にある様々なバレエ学校で専門の教育を受けてバレエダンサーになる人が多いです。もちろん例外はあります。

最近はバレエ団の芸術監督がバレエ出身じゃない、振付師がバレエ出身じゃないなんてこともあり、トウシューズとチュチュで踊らないコンテンポラリーダンスも盛んで、現代舞踊との境界はかなりあいまいになっています。

https://www.instagram.com/p/CUXK2NYojT1/?utm_source=ig_web_copy_link

(↑パリオペラ座バレエ団の公式instagramより、マッツエック振付のplayというコンテンポラリー作品)

 

youtu.be 

↑ニューヨークシティバレエ公式YouTubeより、ジャスティンペック振付

 

 

②バレエ界

バレエは世界中にあるバレエ団によって上演されており、バレエ団は星の数ほど(やや大げさですが)あります。

しかしまずは以下の世界三大バレエ団を覚えてください。

パリ・オペラ座バレエ団(フランス)

・ロイヤルオペラハウスバレエ団(イギリス)

・マリインスキーバレエ団(ロシア)

・ボリショイバレエ団(ロシア)

 

…。いや4つあるやんけ!ってなりますよね。笑

正直、ロシアの2つはどちらも超名門なので世界四大バレエ団としてもいいのですが、ロシア(マリインスキーかボリショイ)で1つって感じの覚え方で大丈夫です。

なぜなら、この3大というのはメソッドに応じて分けるのも兼ねているから。

メソッドって何ぞや。流派のことです。呪術廻戦の五条家と禪院家みたいな。鬼滅の刃でいう●●の呼吸、みたいなやつです。

一応、特徴をさらっと書いときます。

 

パリオペメソッド

パリオペラ座バレエ団は付属のパリオペラ座バレエ学校を修了しないと入れません。まさに宝塚歌劇団と同じ。恵まれた容姿で素晴らしい音楽性を持つエリートたちがともに踊り、カンパニー全員が同じ学校を出たダンサーのため群舞もそろっているというのが特徴。

https://www.instagram.com/tv/CWytAIdoifE/?utm_source=ig_web_copy_link

↑2022年現エトワール(最高位)のミリアム公式instagram

あとダンサーのトウシューズがピカピカで先が細く、つま先が美しいことこの上ないです。つい最近まで白人しかトップ(エトワール)になれないと指摘されていましたが、時代の流れによって昨年2021年に初のアジア人エトワールがでたことも話題になりました。

 

・ロイヤルメソッド

特徴は演劇性、ダンスなのにセリフをしゃべっているようにストーリーを進めていきます。イギリスはシェイクスピア発祥の地であり演劇が盛んなので、お国柄ですね。いっぱい回ったり飛んだりということは重視しておらず、たくさん足を上げて下品に見えるくらいなら少し下げて正しいポジションで、という教えが強いです。

https://www.instagram.com/p/B3xbySnBNdT/?utm_source=ig_web_copy_link

(↑現在プリンシパルフランチェスカinstagramより、マノン)

ちなみにロイヤルは付属のロイヤルバレエスクールを出ていなくても入団できます。また、ずいぶん前から人種多様性を重視しており黒人アジア人のプリンシパル(最高位)も多数在籍しています。必ずしも手足が長くて細い人ばかりでもありません。

 

 

・ロシア ワガノワメソッド

ワガノワさんという人が考案したロシアバレエの教授法に基づいています。全身を大きく使い、とにかくダイナミック!ロシアのダンサーは本当に背も高くてスタイルもよくて手足も長いため、とにかく迫力がすごいです。音のとり方も独特で、ややもすると歌舞伎のように見えを切ってる…?と思うようなことも。ちなみにマリインスキーとボリショイでも少し違うところはあるのですが、この際一旦置いておきます。

 

https://www.instagram.com/p/B_4oKf_oYKe/?utm_source=ig_web_copy_link

(↑ロシアバレエ界のレジェンド、ザハロワのオーロラ姫)

 

 

さて。ここまで書いただけでかなりの量になってしまいました...

もちろんバレエメソッドはこの3つしかないわけではないし、すでに述べたように世界には様々なバレエ団があります。ジョンクランコのいたシュツットガルトやノイマイヤーのいるハンブルクバレエ、モーリスベジャールバレエ団など、メソッドとはまた違うけれど名物(?)芸術監督や振付家の影響をフルに受けているところもあります。それについても詳しく書いていけたらいいですが、とりあえず超初心者の人は今回のことを覚えてくれたらうれしいです。

 

また続きは後日。

次は代表的なバレエ作品のあらすじや初心者に見やすい作品、バレエ好きな人は何を見てるのかについて書けたらいいな!

ではまた!

積極的治療と人生観

若手医師が年数を経ていくと日々シビアな病状説明をするようになってくる。

 

ある癌を発症した高齢女性。高齢とはいっても60代後半。

既往歴や臓器障害はほとんどなく、比較的効果強めの抗がん剤も使えそうな状況。

 

積極的治療が妥当だろうと自分の中で決めつつ本人と夫に説明するが、

 

長い予後があるかもしれなくても、強くてしんどい治療は嫌です。

残りが1年や数カ月なら、すぐに家に帰って日々を大切に生きていきます。

 

私はどちらかというと積極的治療よりは緩和ケア・その人らしく最期を迎える在宅療養などの調整が好きな医師であると思っていた。

彼女の言葉にとても感動した。それを支える夫にも。

 

しかし医師として彼女に向き合う私が発したのは「本当にそれでいいのですね?」という言葉。ショックだった。「じゃあそうしましょう」と言ってもなんだか冷たく聞こえる。

癌と告知されて混乱して治療を拒否しているだけなのではないか?その疑いを払しょくするためにも、本当にそれでいいのか聞かざるを得ない自分。

 

この仕事はなんて難しいのだろう。出会って数日、もしくは初めまして、という状況でも、相手がどれくらい理解しているか、本当にこの人が後悔しない治療は何か。それを見極めないといけない。

そんな中でも自分が後から訴えられたくない、こんなはずじゃなかった、こうなるとは思わなかったと言われたくないという心理も働く。

人生は一回しかない。死ぬのも1回しかない。途中で治療をした方がよかったなと言われても、きっとその時には癌は進んでおり立て直せない。

患者さんもかなりの覚悟、もしくは確固たる死生観、自分の幸せをはっきり意識できていないといけない。

それを確かめようと何度も聞けば聞くほど、ぶしつけな医者になっていくような気もする。

 

経験がすべてを解決していくのだろうか。

若手医師とバイト

どうもこんばんは。

 

新国立劇場バレエ団でライモンダが開幕しましたね。

お客を入れてのグランドバレエが上演できることそれだけでおめでたいです。

 

私はというと関西で若手医師として働く手前、ライモンダは行けそうにありません…

次に見に行くのはイスラエル・ガルバンかしら。

 

さて、若手内科医師って土日なにしてんの?という話です。
私は市中病院(大学病院ではない病院)で働いているため、外勤の日とかはありません。普通に月~金の9-17時勤務って感じ。しかし、土曜(もしくは日曜)の朝はなんとなく病院に患者さんを見にいってることが多いです。

うちの科は休みの日は独自に科の病棟当番医を設定しているため、必ずしも行く必要はなく、行かなくても変な空気にはならない比較的ホワイトな科であると思います。

 

ではなぜいくのか。

ひとつには病態の悪い患者さん(熱出てるとか、腫瘍のコントロールが悪くて臓器障害が出ているとか)が単純に気になるからというのがあります。特に自分が若手であれば、病状が悪いとどうなるのか単純に見てみたいという学問的な興味があるからです。

 

もうひとつにはやはり上の先生に迷惑をかけたくない、迷惑かけるくらいなら自分で対応したいという主治医ならではの思いがあるからかな…

 

時代の流れからはそういう意識も変えていかないといけないんですけどね…

 

それはそうと、3年目になるとよく先輩から「バイトしないの?」と聞かれます。老人ホーム併設の民間病院の夜間当直や救急当直など、バイト医でまかなわれている業務は普通の人が思うより多く存在します。しかもそういうバイトは一晩で10万とかもらえたりします。

 

私はというと、、、周りの人が入れなくなって変わったり、病院として枠があって回している枠は入りますが、自分ではあまり積極的に入ることはないです。

なぜか。

 

だって月-金+土日どっちか働くなら、休みの日は休みたいもの劇場行けなくなっちゃうし。普通の会社員くらいの給料はあるし。独り身で結婚願望もないから自分の分さえあればいいし。

 

そういうわけで、休みの日は寝たり、ダンスレッスン行ったり、劇場行ったりしています。今は専攻医だから頑張ってるけど、内科の管理をある程度身に着けたら、ゆくゆくは在宅・緩和医療の往診や老健勤務や産業医になるのもいいなとか思ってます。

 

あーーーーーダンス見に行きたい。

ロイヤルの新たなプリンシパル

金子ふみさんがロイヤルバレエ団のプリンシパルになられましたね!

本当におめでとうございます。

 

生の舞台があまり身近でなくなってしまってから1年以上。

正直、日本って東京以外では舞台数はかなり少ないと思うのですが、私も東京以外の地に住んでいるため、年間30回も舞台を見ていたことを思い出せなくなっています...

 

当たり前ですが、舞台なんてなくても生きていけます。

私は医療を仕事にしていますが、命は長くさせられても、救えないことって多いです。一命はとりとめてるけど、生気を失って、病院にずっといて…みたいな。

初期だけど何回か化学療法しないといけない癌とかで、80歳以上で、2週間入院、1週間退院を半年以上も繰り返して、知らず知らずに弱っていく…とか。

 

人間ってなんのために生きてるんでしょうか。

私は最期まで何を好きでいられるでしょうか。

 

今は最期まで舞台を好きでいたいと思います。

バレエとかオーケストラって見るのに集中力もいるし、2時間くらい自分を用意しないといけないし、生じゃない限り家で見るのってやっぱりおもしろくない。

仕事で疲れて帰って、あえて見ようとは思わなくなっていく。好きだったことを忘れてしまう。今多くの人がそうなっている気がします。

 

そうやって少しずつ見なくなっていっても、たまにふと見ると、とんでもなく美しい。

それに気づくとほっとします。

 

美しいものを美しいと思えること。舞台に反応する感性がまだあること。

そういうのも今まで舞台を見てきて感性を磨いて身についたものだと思うので、今は少しづつ薄れていっている気がする。

 

早くすべてが再開されますように。

そしてロイヤルが来日された際は、光をまとったふみさんがみられますように。