友達には言われる、定時で帰れるときもあって、そんなに体力的にしんどくもなくて、圧倒的に権力を持ってて、何が嫌なの?と。
でもしんどい。
人の生き死にに関わりたくてここに来た。でも違う。今の日本の医療では、最後まで点滴を入れて、真っ白い部屋で、誰にも会えず死ぬだけ。
私にはそれが我慢できない。
生死が関わらない科にいくこともできる。でもそれは違う。見なくていいものは見なくていいと思うけど、それとは違う気持ちなの。
私はここから何故か目を逸らすことができない。
命って何。
少なくともこんなふうに人は最期を迎えるべきじゃない。詭弁かもしれない。押し付けかもしれない。
私の考えを押しつけるのは良くない。それは分かってる。
でも嫌なものは嫌だ。この死に方は美しくない。
私自身の声が聞こえる。全部叩き割れと。嫌だと叫べと。人は本当に時が来たら、比喩ではなく声が聞こえるのだと初めて分かった。